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SURGERY

全ての症例でおこなっている当院の手術の流れです。

 

術前

・ 静脈留置針をつける。

  (麻酔をかけたり緊急時の薬剤の

     投与ルートになります。)

・血液検査一般

  (血球検査、生化学検査、麻酔を       かけても問題ないかを判断しま         す。また、出血を伴う処置では凝      固検査をおこないます。)

・麻酔前酸素化

  (酸素室に1時間入れます。血液       中の酸素濃度を高くすることで万     が一の呼吸停止のときの時間稼ぎ     ができます。)

・麻酔前投薬

  (痛み止めや粘液分泌を抑える薬       を使います)

 

 

導入

・導入麻酔

  (プロポフォールなど状況に応じ     て麻酔薬を選択します。)

・気管挿管

  (当院の麻酔処置では全て気管挿       管をおこない人工呼吸器付き麻         酔回路で維持します)

・麻酔モニター

  (麻酔濃度、酸素濃度、二酸化炭       素濃度、心電図、血圧、体温、         カプノグラフ、換気量など全てを     チェックします。)

 

 

 

手術

・術野の消毒

  (剃毛後消毒液で洗浄します。)

・術前準備

  (滅菌包布で体を覆い滅菌ガウン       を着て手術をおこないます。)

・手術

  (術者、助手、麻酔管理の最低3       人体制でおこないます。)

 

退院

  基本避妊、去勢手術は日帰りで

    す。術後10分程で歩き出しますの

    で入院の必要はありません。

 

 ドイツERBE社のVIO300Dの導入により血管シーリングでのオペが可能になりました。手術後の縫合糸肉芽種の心配も無くなります。高周波手術装置の中ではハイエンドモデルになります。

 

手術に入るまでの準備段階で恐らく90%以上の勝負は決まっていると私は思っています。ただし100%を保証するものではありません。

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避妊手術、去勢手術は病院によって全く内容が違います。

 避妊手術や去勢手術、処置麻酔は患者様からすれば生きて帰ってきて当たり前の処置になると思います。健康と思われる動物に麻酔やメスを入れる訳ですから当たり前かもしれません。逆に私たちからすれば絶対にミスの許されない処置になります。だからこそしっかりとした検査結果の裏付けのもと麻酔処置をおこないたいのです。

 

 私は、開業当初ノラ猫ちゃんで手術費用を抑えるために検査をせずに去勢手術をおこないました。当時の私は、患者さんのためと思っていました。その子は見た目全くの健康な若い子でしたが手術後、皮膚からのジワジワ滲み出る出血が止まりませんでした。あわてて血液検査をした結果その子が殺鼠剤中毒である事がわかりました。おそらく殺鼠剤を食べたネズミを咥えたことが原因だと思われます。これほど恐ろしい思いをしたのは初めてでした。その後輸血などをし、その子の命は助かりましたがノラちゃんだから検査をしはいという考えは間違いだと思い知らされた瞬間でした。ノラちゃんだからこそ何があるか分からないのでしっかりとした検査をすべきだと考えを改めることになりました。

 

 また、手術前の検査をしっかりすることで目には見えない病気が発見されることもありますし安心して手術ができます。肝臓の先天奇形や、血友病、VWD、12因子欠乏など血液の固まりにくい病気が発見され手術していたら...なんて思うこともしばしばあります。全てとはいいませんがほとんどの病気は手術前の検査で発見できると思っています。

 

 更に、安全面から全ての麻酔処置で当院では気管内挿管をおこない人工呼吸器付き麻酔回路で麻酔維持しています。新型の人工呼吸器は30秒の呼吸停止を感知すると自動でバックアップ換気をおこない事故を未然に防ぎます。

 

 また、縫合糸は絹糸などは使用せず、PDS、VICRYLなど組織反応の少ない合成吸収糸を筋層、皮下組織縫合、皮膚埋没縫合で使用しています。また、高周波手術装置ドイツERBE社のVIO300Dの導入により血管シーリング、ソフト凝固が可能になりほぼ全ての血管の結紮が必要なくなり手術時間の大幅な短縮と出血リスクが軽減しました。またシーリングにより縫合糸肉芽腫の心配も無くなります。

 

 避妊手術、去勢手術といえど内容は病院によって全く違います。恐らく安全面、衛生面を無視して適当な手術を格安でおこなう方が病院の利益は間違いなく大きいと私は思っています。安全で衛生的な手術をするためには、それなりの費用がかかる現実も理解してほしいものです。

 

 尚、当院での避妊、去勢手術は日帰りになります。またエリザベスカラーや腹帯は使用しません。術後、動物のストレスは最小限となっていると思います。

 

 新患さんの手術に関しては大変申し訳ございませんが電話予約を行っておりません。一度来院され術式、麻酔法、金額など全てを納得していただいた後予約を入れていただくよう御願いします。

 

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